こんにちは。レイテノール編集部の南です。
化粧品成分を深~~く解説するコラムへようこそ♪
第4回は「トラネキサム酸」についてご紹介していきます。
美白有効成分として厚生労働省に認可されている19の成分のひとつで、肝斑に効果がある成分としても耳にされたことがある方は多いのではないでしょうか。美白効果が謳われている医薬部外品のうち、7割くらいはトラネキサム酸が用いられているのでは…!というくらい、今の美容業界に欠かせない存在です。
トラネキサム酸とは

医療からみるトラネキサム酸
トラネキサム酸はもともと、抗炎症剤・止血剤として医療の現場で用いられてきました。
現代的な医療水準を維持するために必須と考えられる医薬品類としてWHOが策定しているWHO必須医薬品モデル・リストにも掲載されていて、その効果の汎用性と副作用のリスクの低さから世界中で使われている成分です。
歴史も古く、症例も研究も非常にたくさんあり、安心度が高いところも嬉しいですね♪
トラネキサム酸の効果
トラネキサム酸は「抗炎症」「美白」2つの効果がある成分です。
トラネキサム酸は抗プラスミン作用があり、炎症の原因となるプラスミンという物質の過剰な生成を抑える働きがあります。プラスミンはアレルギーの発生にも関わっているので、トラネキサム酸はアレルギー反応をやわらげたり、湿疹を抑える薬としても用いられています。
スキンケアとしては肌荒れやニキビのケアにもとても相性のいい成分です。特に肝斑は炎症からくる色素沈着なので、肝斑との相性がバツグン!ほかの美白成分はなかなか効かない肝斑の救世主です。
美白へのアプローチ
美白には6つのアプローチがあり、
①メラノサイト活性化因子の作用阻害によるメラニン生合成阻害
②チロシナーゼ活性阻害によるメラニン生合成阻害
③TRP-2またはTRP1活性阻害によるメラニン生合成阻害
④メラノソーム移送阻害による色素沈着抑制
⑤基底細胞のメラニン排出促進による色素沈着抑制
⑥ユウメラニン還元による淡色化、です。
トラネキサム酸はこのうち①の美白アプローチをすることができます!
プラスミンは、メラノサイトを活性化させるプロスタグランジンE2という物質の生成にも関わっているため、これを抑制することでメラニンの生合成を阻害することができます。これによって「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを予防する」という美白効果があるんです☆
さらにこのメラノサイトの活性化抑制と抗炎症作用が合わさることで、紫外線の影響で悪化する一般的なシミや肝斑だけでなく、炎症後色素沈着の予防や改善にも効果を発揮します。
炎症を抑えながらしみ・そばかすを予防できるので、他の美白成分に比べて使用感がかなり穏やかで、敏感肌の方の美白アイテムとして選びやすいところもポイントです。
トラネキサム酸の有効成分
1%以上配合で抗炎症作用が、2%以上配合で美白効果が認められています。
医薬部外品としての配合上限はこの2%と定められていますので、美白有効成分としてトラネキサム酸が配合されている場合、しっかりと効果が認められている濃度が配合されているということですね!
もちろん、レイテノール薬用UVクリームにもバッチリしっかり配合されています♪
さらなる美白効果には
もっと美白効果がほしい!という方はビタミンCやコウジ酸、プラセンタなどの美白成分と組み合わせるのがおすすめです。
先ほどご紹介した6つの美白へのアプローチは2つ以上取り入れることでさらに効果が高まると言われています。ビタミンCは②と⑥、コウジ酸は②と③、プラセンタは①と⑤の美白作用がありますので、トラネキサム酸と組み合わせることで相乗効果を期待できるんです。
抗炎症成分として
美白効果に目がいきがちですが、実はニキビケア&ニキビ跡予防にとても優秀な側面もあります!
抗炎症作用があるトラネキサム酸は、炎症を起こして赤くなってしまったニキビを穏やかに鎮静してくれます。またメラニンの生成を抑制するためニキビ後の色素沈着を予防する効果が見込めるんです。
トラネキサム酸が配合されたスキンケアは水溶性、油溶性どちらも販売されていますが、ニキビのお手入れに使う時は水溶性のほうがおすすめです♪
紫外線が強まる時期に
塗ってよし!飲んでよし!なトラネキサム酸。トラブルを防いでクリアなお肌を導いてくれるとっても心強い頑張り屋さんな美容成分です♡
紫外線が強まりシミのリスクがメキメキ高まるこれからの時期のお手入れに、ぜひ取り入れてみてくださいね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次回もお楽しみに♪