女性の薄毛に多い脱毛症の種類とは?タイプ別の特徴と対策ポイントを解説

一口に「薄毛」といっても、その原因や症状はさまざまです。
男性の脱毛症とは異なり、女性特有のメカニズムが関わるケースもあります。
今回は、代表的な女性の脱毛症について詳しく見ていきましょう。

代表的な女性の脱毛症の種類

びまん性脱毛症とは?女性に多い脱毛症タイプ

女性に多く見られるのが「びまん性脱毛症」です。
このタイプは、頭皮全体にわたり髪のボリュームが徐々に減少していくのが特徴です。
主な原因として、生活習慣の乱れ、ストレス、加齢に伴うホルモンバランスの変化、不適切なヘアケアなどが考えられます。
以前は男性型脱毛症(AGA)に似た症状とされ、「FAGA」と呼ばれていましたが、現在では「FPHL(女性型脱毛症)」という呼び方が主流になっています。
びまん性脱毛症は、自覚しにくいことも多いため、髪全体のボリューム感に変化を感じたら早めに頭皮環境を見直すことが大切です。

牽引性脱毛症とは?髪型による影響に注意

牽引性脱毛症は、髪が引っ張られることで毛根がダメージを受け、分け目や生え際が薄くなる脱毛症です。
ポニーテールや三つ編み、ヘアエクステンションなど、髪に負担をかけるスタイルを長期間続けることでリスクが高まります。
特に成長期の中高生や、職業柄髪をまとめる必要がある方は注意が必要です。
対策としては、定期的にヘアスタイルを変える、髪を結ぶ位置をずらす、ブラッシング時に引っ張りすぎないことなどが挙げられます。

分娩後脱毛症とは?出産後の一時的な抜け毛

出産後に髪の量が一時的に減少する現象が「分娩後脱毛症」です。
これは、妊娠中に増加していた女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が、出産をきっかけに急激に低下することにより起こります。
髪の成長サイクル(成長期→退行期→休止期)が妊娠中に一時的に変化していたため、産後に一気に脱毛が進むのが特徴です。
多くの場合は半年〜1年程度でホルモンバランスが整い、自然に回復していきますが、心配な場合は専門家への相談も検討しましょう。

粃糠性脱毛症とは?フケと頭皮トラブルに注意

粃糠性脱毛症は、乾燥したフケが毛穴に詰まり、炎症を起こすことで脱毛が進行するタイプです。
体質による影響もありますが、食生活の偏り、冷え性、刺激の強いシャンプーやスタイリング剤の使用が要因になることもあります。
頭皮環境の悪化を防ぐためには、低刺激のヘアケア用品を選び、食生活や生活習慣を見直すことが効果的です。

脂漏性脱毛症とは?過剰な皮脂分泌による脱毛

脂漏性脱毛症は、過剰な皮脂分泌により頭皮の環境が悪化し、抜け毛が増えるタイプの脱毛症です。
脂っこい食事、洗髪不足、睡眠不足、常在菌(マラセチア菌)の異常繁殖などが原因とされています。
頭皮の皮脂バランスを整えるためには、適切な洗髪と生活習慣の見直しが重要です。
脂漏性脱毛症の場合、自己判断で強い洗浄力のシャンプーを使い続けると悪化することもあるため、慎重なケアが求められます。

そのほかに見られる脱毛症の種類

女性にも、円形脱毛症や壮年性脱毛症など、さまざまなタイプの脱毛症が見られます。
また、医学の進展により、新たな脱毛症のメカニズムや分類が明らかになりつつあります。
現在も研究が進んでおり、脱毛症に対する理解は日々アップデートされています。
一人で悩まず、信頼できる専門家の力を借りることも大切です。

健やかな髪を育むために今できること

どの脱毛症においても共通するのが、生活習慣の見直しと頭皮ケアの重要性です。
髪に必要な栄養素は血液を通じて毛根に届けられるため、血流の改善も大切なポイントとなります。

健康な髪を育むために心がけたい習慣

  • 栄養バランスのとれた食事
  • 良質な睡眠
  • 適度な運動
  • ストレスマネジメント
  • 正しい頭皮ケア(低刺激なシャンプー選び、優しいマッサージなど)

一気に生活を変えるのは難しいかもしれませんが、できることからコツコツと取り組むことが、未来の髪を守る第一歩になります。
まずは日常生活の中でできる小さなことから始めてみましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また次回もお楽しみに。