暑さのピークが過ぎたとはいえ、残暑が続くこの時期。
屋外と室内の温度差や、冷たい飲み物の摂りすぎなどで、自律神経が乱れやすくなり、体にだるさを感じる人も少なくありません。
そんな時こそ、日々の食事で体の内側からバランスを整えることが大切です。
なかでも注目したいのが「発酵食品」。
昔ながらの日本の食卓に欠かせない存在で、腸内環境をサポートしながら、すこやかな毎日を後押ししてくれます。
発酵食品とは?基本と魅力を知ろう

発酵と腐敗の違い
発酵食品とは、微生物の働きで原料が分解・変化した食品のこと。
味噌や納豆、ヨーグルト、チーズなどが代表例です。
発酵と似た言葉に「腐敗」がありますが、この違いは「安全に食べられるかどうか」。
発酵は味や香り、栄養価が向上し、私たちの体に役立つもの。一方で腐敗は、食べられない状態になる変化を指します。
発酵食品が注目される理由
栄養価アップ+消化のしやすさ
発酵によって生まれる「うま味」成分は、素材の風味を深めるだけでなく、消化もしやすくなります。
例えば、豆乳に含まれるたんぱく質が、発酵を経てアミノ酸に分解されることで、体に吸収されやすい形へと変化します。
さらに、微生物による分解でビタミンB群などの栄養素が増える場合もあり、体調がゆらぎがちな時期のサポートとして注目されています。
胃腸にやさしい食事として活用
夏バテで食欲が落ちている時は、栄養があっても胃腸に負担のかかる食事は避けたいもの。
その点、発酵食品は“すでに分解が進んでいる状態”のため、胃腸での消化がスムーズに行われやすいとされています。
発酵食品に含まれる主な菌の特徴
発酵食品には、種類によってさまざまな菌が関与しています。代表的なものをご紹介します。
- 乳酸菌:ヨーグルトや漬物に多く含まれ、腸内環境を整えるサポートが期待されています。まろやかな酸味も特徴です。
- 麹菌:味噌や醤油、甘酒などに含まれ、日本の食文化を支える存在。うま味成分の生成にも重要です。
- 酵母菌:パンやアルコール類の製造に欠かせません。炭酸ガスや香りの生成に寄与します。
- 納豆菌:納豆特有の粘りや香りを生み出す菌で、タンパク質の分解による栄養変化にも関与します。
夏に取り入れたい発酵食品4選
納豆
大豆の発酵により、ビタミンKやビタミンB群の含有量が高まるとされています。
代謝をサポートする栄養素が含まれており、疲れを感じやすい夏にもおすすめです。
冷ややっこにのせたり、オクラや長芋と合わせてさっぱりとした副菜にしたりと、アレンジも自在です。
味噌
味噌は麹菌がたっぷり含まれた発酵食品。味噌汁にすると、乳酸菌やミネラル、水分も同時に摂れるのが嬉しいポイント。
特に夏野菜を具材に使った冷やし味噌汁などは、暑い季節でも取り入れやすくなります。
ヨーグルト
腸内環境をサポートする乳酸菌を含むヨーグルトは、朝食にもおやつにもぴったり。
ブルーベリーやバナナなど抗酸化成分を含む果物と組み合わせると、夏の栄養補給にもなります。
甘酒(ノンアルコール)
「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒は、ブドウ糖・ビタミン・アミノ酸などをバランスよく含んでいます。
冷やして飲めば、食欲のないときでも体にやさしく栄養を届けてくれます。
発酵食品を日常に取り入れるコツ
発酵食品は、日本人の食生活に馴染みのある食材が多いため、無理なく取り入れやすいのが特徴です。
たとえば、以下のような簡単な工夫からはじめてみてはいかがでしょうか。
- 冷やしうどんに納豆や温泉卵をトッピング
- 夕食に一杯の味噌汁を添える
- 朝食にヨーグルト+フルーツの組み合わせ
- 甘酒を冷蔵庫に常備し、栄養補給に活用
こうした日常の工夫が、「腸から整う」体づくりへの第一歩になります。
発酵食品で、夏の体調をおいしくサポート
季節の変わり目は、心身のリズムが乱れがち。
そんな時こそ、栄養バランスと消化しやすさを兼ね備えた発酵食品を取り入れてみましょう。
特別な食材でなくても、納豆や味噌、ヨーグルトなどの身近な食品で十分。
食べやすさと栄養の両方を叶えてくれる発酵食品は、夏の養生習慣にぴったりです。
無理なく、おいしく、体調を整えるヒントとして、今日の食卓にひとつ加えてみてください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次回もお楽しみに♪