保湿にも種類があるってご存じですか?

皆さん、ひとえに保湿と言っても、成分によって強度や担う役割が違うのをご存じでしょうか?
これは、化粧品の成分の話しになりますので、かなり専門的な知識になりますが、保湿を根本から知りたい方は是非これを読んでお勉強してみてくださいね!
まず保湿には、その保湿成分の特長によって強度が軽いものから重いものまであるのですが、大まかに5段階に分けてご説明します。
保湿レベル① 「そそぐ」
角質層に水分を届ける、いわゆる保水です。
保湿対策の基本中の基本ですが、この保水だけでは、すぐに蒸発してしまうので、保湿はできません。
「そそぐ」 主な成分
✼水
✼海水
✼ローズウォーター
✼アルカリイオン水
保湿レベル② 「つかむ」
空気中の水分をつかむ働きと、肌にある水分をつかむ働きをします。
ただ、保湿の強度は弱く、湿度が低いと効力が落ちます。
「つかむ」 主な成分
✼多価アルコール・・・グリセリン、BG、ベンチレングリコールなど
✼アミノ酸類・・・セリン、グリシン、アスパラギンなど
✼糖類・・・グルコース、トレハロース、キシリトールなど
保湿レベル③ 「抱え込む」
つかむタイプの成分より分子力が大きく、角質層に水分を保持する力もより強くなっています。
したがって湿度が下がっても乾燥しにくいのが特長です。
「抱え込む」 主な成分
✼多糖類・・・ヒアルロン酸Na、コンドロイチン硫酸Naなど
✼ペプチド・タンパク質・・・水溶性コラーゲン、ポリ₋γ₋グルタミン酸Na
保湿レベル④ 「挟み込む」
このレベルになると水溶性だけでなく油性成分が入っていきます。水分を長時間キープしておく力が大きくなり、より保湿力が上がります。
このタイプは一つの分子の中に、水になじみやすい部分と油になじみやすい部分を持っているのが特長で、角質層で「ラメラ構造」と言われるミルフィーユのような構成でがっちり水分を挟み込んで、潤いをキープしています。
「挟みこむ」主な成分
✼コメセラミド
✼ユズセラミド
✼馬セラミド(馬スフィンゴ脂質)
✼レシチンなど
保湿レベル⑤ 「フタをする」
これは性質としては油性の成分になります。
油性成分自体には保湿効果はありませんが、肌表面を覆ってフタをすることによって、肌内部の水分が蒸発するのを防ぎ、結果的に肌の水分量を守ることになり保湿される、と解釈されます。
「フタをする」 主な成分
✼炭化水素・・・ミネラルオイル、スクワラン、ワセリンなど
✼油脂・・・オリーブオイル、アーモンドオイルなど
✼ロウ・・・ホホバ種子油、ミツロウなど
保湿レベルを意識して効果的に潤い肌づくり
いかがでしたか?
少し難しいお話しでしたよね。
エステティシャンが勉強する範疇の成分解説でした。
でも、こうやってみると、自分の肌にはどの段階の保湿がいいのか、
または、保湿は組み合わせて効果的に使うものということが分かってきますよね。
例えば、レベル⑤のフタをする成分の商品を2個も3個も使うのは意味がないですし、
保水だけで終わらせていると湿度の低い時期は肌内部の乾燥が増長されてしまいます。
また、たっぷり保水をしないでレベル④、レベル⑤の商品をいきなり使っていませんか?
10代や20代前半の若い肌細胞なら細胞に十分水分が蓄えられているかもしれませんが、
それ以降の年代ですと表面だけ覆っても、肌内部が枯渇していることになりますので、
要注意です。
ご自身の肌質、年齢、それから季節(湿度)などを考慮し、効果的に保湿をして
乾燥からお肌を守っていきましょう!